2010年1月20日水曜日

トレチーメ・ディ・ラヴァレードのハイキング


ドロミテのハイキングで何をおいても一番に行きたいのがトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードのハイキングでしょう。トレ・チーメとは3つの頂という意味のイタリア語です。ドイツ語ではドライ・チンネンと呼ばれています。また後に詳しく書きたいと思いますが、ドロミテにはドイツ語を話す人々の暮らす南チロルという地域があります。それ故、山、湖、谷や村の名前がイタリア語、ドイツ語と2つあるので複雑です。アルタ・バディア(ドロミテの領域にあり南チロルに属する)では更にラディーニッシュというロマンシュ語が話されている為、村の看板はロマンシュ語、ドイツ語、イタリア語3ヶ国語で書かれていて益々複雑です。

さてトレ・チーメのハイキングの出発地アウロンゾ小屋まではドロミテ一有名なミズリーナ湖から有料道路を上がってゆきます。路線バスはコルチナ・ダンペッツォからも、サン・カンディド(イニヒェン)からも出ています。有料道路はカディーニ山群と第一次世界大戦の舞台となったモンテ・ピアーナの間を行きます。駐車場に着いたらそこにある一番近くの山がトレ・チーメです。3つの頂が見えないので、トレ・チーメはどれですかと聞かれることがありますので念の為。まずはトレ・チーメとは反対、今上がってきた道方向の素晴らしい景色を見て下さい。クローダ・ロッサ(鉄分を含んだ赤い山)、クリスタロ山群、ソラピス山群、カディーニ山群等が見えます。ミズリーナ湖も小さく見えますよ。

駐車場からアウロンゾ小屋までは少々登りですが、そこからまず最初の目的地ラヴァレード小屋までは良く整備された、子供からお年寄りまで誰でもが歩けるほぼ平らな道です。左手に聳えるトレ・チーメ、右手には遠くアウロンゾの湖が見えます。この道には恐竜の足跡化石のある岩もあります。途中小さな礼拝堂を通り過ぎラヴァレード小屋の近くに来るとトレ・チーメの切り立った岩に登っているロック・クライマーの姿が良く見られます。ロック・クライミングをするなら是非この人達にガイドしてもらいましょう。途中後ろを振り返るのも忘れないで下さい。カディーニ山群がとても美しいのです。ラヴァレード小屋では12時にレストランサービスが始まります。12時前はバールのサービスのみです。ここまではゆっくり歩いても1時間はかかりません。


トレ・チーメの3つの頂が見える所(パテルンサテル)まで行くにはラヴァレード小屋から少々(標高差100m程)登りの道です。ラヴァレード小屋の手前を左手に登ってゆく人が見えますが、こちらは少々きつい登りなので、自信のない方はラヴァレード小屋を通り越して道なりに登ります。パテルンサテルからのトレ・チーメの姿は大変素晴らしいので(上の写真)あまり足に自信がない方でも是非ここまでは歩いて下さい。

さてここからトレ・チーメを一周するハイキングが一番人気のあるコースの様です。パテルンサテルから赤い屋根のドライ・チンネン小屋が遠くに見え、それを目指して歩き、そこから105番の道を歩くものです。しかしこの一周コースは105番の道に入ると急激に道を下って行き、下った分と同じ位また登らなければなりません。2時間近く歩いた後に登りとなるので、疲れきって歩くのが嫌になった外国の方を見かけたこともあります。そこで山岳ガイドのお勧めは、パテルンサテルからドライ・チンネン小屋へ向かって歩くと左手に標識もない道ではあるが105番へ続く道です。小さな湖と営業はしていない山小屋の方向です。ドライ・チンネン小屋を回らない分大分近道ができますし、アップダウンが少なく済みます。しかしこの道には営業している山小屋がないので水や食料は持参するか、ラヴァレード小屋で調達する必要があります。105番の道は出発したアウロンゾ小屋近くの駐車場まで続きますが、最後に少々道が細く歩きずらい所もあるので注意が必要です。


トレ・チーメの一周コースは天気の良い日は沢山のハイカーが訪れます。あまり人がいない方が好きという方へのお勧め(景色も素晴らしい!!)はブレレヨッホ小屋へのハイキングです(健脚向き)。パテルンサテルでトレ・チーメの雄姿を見たら、1104番のコースへ。途中まではラヴァレード小屋へ戻る道ですが、ラヴァレード湖を通りトレ・チーメとは反対方向です。急ではありませんが登りが少々長いのですが人は少なく素晴らしいコースです。ブレレヨッホ小屋は小さいですがとても素敵な小屋です。山小屋に泊まってみたいなら是非ここがお勧めとは山岳ガイドの弁。この小屋に宿泊する個人旅行の手配をさせてもらったこともあります。この小屋まで来たらチーマ・ウナの手前まで行ってみて下さい。セストの谷が見えます。この辺りは山に抱かれているという気持ちにされる所です。

ブレレヨッホ小屋からは101番のコースをドライ・チンネン小屋まで歩きます。ドライ・チンネン小屋からはアップダウンのある105番を通って、トレ・チーメを一周してもよいし、101番を通ってパテルンサテルへ戻っても良いでしょう。

コルチナ・ダンペッツォに宿をとっている場合には出発点のアウロンゾ小屋に戻らなければなりませんが、セストの谷やサン・カンディド、ドビアッコに宿がある場合は出発点に戻らず、セストの谷方向へ行くこともできます。ブレレヨッホ小屋からなら101番をドライ・チンネン小屋とは反対方向、ツィグムンディ小屋まで行き、103番をタールシュルース(谷の終わり)小屋まで歩きます。標高差1000m程の下りです。またドライ・チンネン小屋からなら102番をタールシュルース小屋へ。タールシュルース小屋から路線バスの停留所があるカンポ・フィスカリーノまでは乗合馬車もありますしもちろん歩くことも可能です。セストの谷に滞在する旅を2003年から企画していますが、毎回歩きたい方にはアウロンゾ小屋からラヴァレード小屋、パテルンンサテルからドライ・チンネン小屋、更にタールシュルースヒュッテからカンポ・フィスカリーノまで歩いて頂いています。更にカンポフィスカリーノから滞在ホテル、セストの谷のモース村まで歩いた方もいらっしゃいます。ドロミテの宿泊場所についてはまた後述しますが、私のお気に入りはセストの谷です。セストの谷に滞在する旅の企画についてはホームページをご覧ください。
http://www.asanorumi.com/2009kikakusesto.html

参考ハイキング地図:KOMPASS社617(Cortina d'Ampezzo)もしくは625(Sextner Dolomiten)

0 件のコメント:

コメントを投稿